オービトロン マイクロリアクターの構造

オービトロンマイクロリアクターは、二つの構造 

マイクロリアクタースタンダードモデルとプレミアムモデル

その構造と組成に迫る

マイクロリアクターの中身は、コアと呼ばれる薄板の積層構造でできています。コアは金属板にマテリアルを塗布したものです。マテリアルは、レアメタルやレアアース、その他の効果を発揮する薬品、各種の鉱物や金属粉末をバインダーに配合したものです。バインダーに混ぜる素材は粉体であるために、そのままでは金属板に定着させることが出来ません。このために粘着性の液体であるバインダーを使うことでうまく混合させることができ、乾燥によって金属板に定着させることができます。

・金属板は

特殊な金属板をオーダーしています。一般的な金属板ではエネルギー効率が悪く効果を発揮しません。この金属板もたくさんの中から数種類に絞り、用途に合わせて使い分けています。

・バインダーは新旧で異なる

バインダーは、旧パワーモジュールではシリコーン樹脂を使用していましたが、マイクロリアクターからはシリコーン樹脂の使用はしていません。オービトロンの効果を狙うのに効率の良いバインダーに変更しています。オービトロン研究開発チームは2021年夏から数十種類のバインダーを試験してきました。そしてその中から最も目的に合ったバインダーを選択しました。これによって効率の向上を図ると共に、コアの構造を簡素化することができ、薄くすることができました。結果的に同じ容積により多くのコアを詰め込むことが可能になりました。しかしこのバインダーはとても高価で、商社経由でまとめて発注することで割安に入手できていますが、それでもシリコーン樹脂の数十倍もの価格です。オービトロン研究開発チームでは、この新しいバインダーを使ったマテリアルを、その効率の良さから「ゴールドマテリアル」と呼んでいます。当社では8件の特許を保有していますが、この新しいバインダーとマテリアルについても特許申請しています。

・マテリアルの難問

ところがこのバインダーを使ったマテリアルは、先に述べた金属板との相性がとても悪いのです。普通に金属板に塗布してもまったく定着しません。今までのシリコーン樹脂では問題がありませんでしたが、新しいバインダーを使ったマテリアルは、水と油のように数分で金属板と分離します。しかも乾燥が非常に早いため、均一に塗布するのが非常に難しいのです。

・難問を解決する

今は塗布する前の工程で、金属板に対して物理的と化学的な2段階の下処理をしています。この下処理によって、マテリアルが金属板と分離することが無くなりました。ただこの下処理も大変な時間とコストがかかります。塗布の均一性の問題は、技術と道具と経験である程度解決出来ました。この下処理は、更にエネルギー効率を高めるための手法でもあります。

・画期的なマテリアル

「ゴールドマテリアル」は、新たなバインダーによって生まれました。従来のシリコーン樹脂を使用していたマテリアルは、その特性を生かすための素材構成でしたが、ゴールドマテリアルの場合は同じというわけではありません。新たに加えられた素材が多く、そして外された素材も多いのです。オービトロン研究開発チームはこの構成要素について2017年から研究を重ね、今に至っています。それは今までのパワーモジュールでは実現できなかった力強いもので、太陽の燃焼エネルギーの様に、高いエネルギーを大量に、そして継続的に発生させることに成功しています。

・新たな別のバインダー

オービトロン研究開発チームは、前出の難しいバインダーの問題はクリアしましたが、既に別のバインダーの研究も行っており、金属板への定着も成功しています。新しいバインダーは効果も高く取り扱いも比較的簡単なのですが、とても高価です。今使用しているバインダーですらシリコーン樹脂の数十倍もの価格ですが、それを更に数倍上回る価格です。この研究中のバインダーを使ったマテリアルを、「プラチナマテリアル」と呼んでいます。将来的にはマイクロリアクター プレミアムモデルの更に高性能版を検討しています。しかし特別な製品では既に採用されています。それが後に登場する「マイクロリアクター Quad2.0」です。

・積層構造にした後は

ここで、更に数種類の金属テープで包みます。一番下の層はエネルギーを効率的に取り出す層で、外部に繋がるケーブルに接続します。一番下の層は、効率を高めるための素材が使われています。このテープは金属部分もそうですが粘着部分も特殊で、このテープ以外は使用できません。その外側には更にエネルギー効率を上げるシートと、全体を固定するシートで覆い、しっかりと固定します。この外側のシートも特殊なもので、一般的には高価すぎて市販されていませんので、専門商社を通じて入手しています。

・外部に繋がるケーブルは

このケーブルは数種類あり、スタンダードモデルは安価ながらも太くて効率が良いケーブル、プレミアムモデルは価格は上がりますが、更に効率が良いケーブルを使っています。プレミアムモデルの場合は、ケーブルの太さを更に太いものに変更できるオプションもあります。プレミアムモデルのF-XとG-Xには更に特別なオプションとして、シルバーコーティングの極太ケーブルと純銀の端子が選択できます。外部にエネルギーを取り出すためのケーブルの接続は、特殊なハンダを使っています。またその接続方法も独自の方法で特殊です。より効率を上げるための努力は怠りません。

・アクセラレータ

固定層の間には、外部へと強烈にエネルギーを押し出すアクセラレータを装着します。スタンダードモデルは一般市販品を使用していますが、一般市販品と言っても特殊な仕様です。プレミアムモデルに関しては、能力やサイズを指定した完全オーダー品です。M-X、G-X、F-Xのそれぞれのサイズに合わせて特注しています。

・コアのサイズは?

M1とM-X、G1とG-Xはそれぞれ同じサイズの筐体を使います。しかし中のコアサイズは異なります。M1やG1は旧パワーモジュールのM2やM4と同じコアサイズですし、G1はG16G-Specと同じコアサイズです。しかし、M-X、G-X、F-Xはそれよりも一回り大きなサイズになっています。プレミアムモデルの製造に時間がかかるのは、工数が増えるからです。生産数がこなせない理由はここです。

 

マイクロリアクター Quad2.0

その組成と構造は?

マイクロリアクター Quad2.0は、マイクロリアクターのスタンダードモデルやプレミアムモデルと構造がまったく異なります。Quad2.0ではそのエネルギー発生源にストーン2.0を4個使用しています。そのストーン2.0を高価な金属で作られた小箱に収め、そこに「プラチナマテリアル」を流し込んでいます。この構造も2.0以前のマイクロリアクターSingle、Dual、Quadと異なるもので、当時電極版として使用していた金属板を大幅にグレードアップしています。

・バインダー

前出の「プラチナマテリアル」に使われているバインダーで、非常に高価なものを使っています。しかし取り扱いは比較的簡単です。密着度も強く安定しており、Quad2.0では相性も良く、能力を高めるのに効果的です。このバインダーは、試しにトライしてみようとオービトロン研究開発チームで提案したときに、あまりに高価すぎて否定されたものです。

・金属板は

貴金属と言われるものです。「プラチナマテリアル」との相性が良いので使っていますが、オービトロン研究開発チームで案を出したときは、コストの点から完全否定されました。後に行うテストで、あまりの効率の高さに再検討することになり、Quad2.0で採用になりました。

・外部に繋がるケーブルは

これはもう、極太のシルバーコーティングケーブル一択です。爆発的なエネルギーを車体に伝えるには、効率が良いケーブルしかありません。しかしこのケーブルも大変高価なものです。

・更に端子は純銀

接続する端子は、効率を求めるために純銀で製作しました。実はこの端子を一般市場で探していましたが、市販品ではまったく見つからず、メーカーを探してわがまま言ってワンオフで試作してもらうことに。結果が良好でしたので、ある程度まとめて作りました。少し前のQuad2.0は銅の端子に金メッキでしたが、もはやこれ以外に選択肢はありません。更にこの端子の先に使うボルトナットを特注で製造しているところです。

・アクセラレータ

こちらも特注品です。筐体のサイズや中の箱の形状に合わせた仕様になっています。最大限の効率を求めると、オーダー品になってしまいます。

 

 

オービトロン マイクロリアクターをご理解いただけたでしょうか?

説明はご理解頂けたでしょうか?その構造はそれほど難しいものではありませんが、試作の過程で難題が持ち上がります。相性の問題だったり構造の問題だったり。製品化しようとして見えてくる課題もあります。良いと思って取り寄せたものがダメだったり、期待していなかったものが良かったり。大きな視点で企画・開発・設計しますが、実際の作業になると細部の詰めが欠かせません。トライアンドエラーの連続です。新しいバインダーを見つけてから、約10か月の開発期間があり、現在のマイクロリアクターが完成しています。ただしオービトロンの進化はこれで終わりではありません。未だに新しい素材や新しい技術に取り組んでいます。技術開発は、止まるところを知りません。

 

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