オービトロン パワーモジュールをG8からX12Rへ変更

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オービトロン パワーモジュールをG8からX12Rに変更されたお客様からレポートをいただきましたので、掲載いたします。
 X12Rのインプレッションをお知らせさせて頂きます。
以下、長文ですがお許し下さい。
 
バイクはDOHCのR1200R。
G8→X12Rに交換。
交換直後は足回りの安定性とフロントのステア特性の変化が一番印象的。
もちろんパワー感の変化も感じられ、発進時のトルクや中間加速の力強さも充分に感じられる。
しかしそれ以上に車体が小さくコンパクトになったような旋回性の向上と、リーン時の安定感が増した印象が強く、コーナーリングで寝かしても大丈夫という感覚があるため、ペースが上がるように感じる。
ノッキングが起きにくくなるためか4速2000回転でも再加速が可能だったり、2速3500回転付近でのギクシャク感がないためそのまま走れたりと、駆動系のスムーズさにはかなり影響がある印象。
ダム周辺のようなコーナーが連続する区間では次のコーナーがいつもより近く感じ、登りの大コーナーがある峠ではいつもよりバンク時の安定感を感じるため、ペースを若干上げたまま侵入してスッと寝かせ、充分なトルクでアクセルを開けられるためペースアップして走れる。

ある意味怖いのは、ペースアップしてるはずなのにそれを感じないこと。
いつもより寝かせられてより安定感があるため、同じコーナーでもいつもより速いスピードで入ったりそのまま立ち上がって加速したペースで巡航しやすくなる。
エンジンや車体からのネガティブなフィードバックが少ないためか、速度感がいつもと違ってしまうのかも。
G8は車体剛性とトルク感の増加が印象的だったが、X12Rは車体全体がコンパクトになったような扱い易さを感じ、トルク感を感じられる回転域の下限と回した時のトルクの厚みがより増大したような印象。
2000~5000回転の範囲内でアクセルのオンオフだけでスムーズに加減速でき、公道なら3、4速でほとんどシフトダウンせずに走れます。
大袈裟に言うとG8ではツイン→マルチになったような感覚。
X12Rではツイン→マルチになってさらにボアアップし、車体は800ccクラスになったような不思議な感覚です。
高速では100km/hが6速3500rpmだったのが5速3800rpm前後に。
多少スピードが落ちても6速のままアクセルを開けただけで再加速していき、シフトダウンする必要がありません。
こんなバイクだったっけ?と感覚がちょっと狂ってしまいます。
 
以下は個人的な印象です。
高速のトンネル内で6速100km/hからアクセルを開けつづけたらそのままスルスルと『ふわわ』が出ました。
メーターの針がスーッと回って車速が伸びていき、車体からの無理な動きや震動などは感じませんでした。
純正より大きなスクリーンや車体全体にスピードワックスを塗っているせいもあるかもしれませんが、以前乗っていたOHCのR1200GSからするとあまりにあっさり到達したので、拍子抜けして逆にいかんいかんと自制心が働きました。
全体的にスムーズさが余計なシフト操作やミスを減らし、トルク感の増幅がエンジンのネガティブな面をカバーしてくれる点で、潜在的なパッシブセーフティが向上するように感じます。
が、一方で加速時の体感がスピードに比して少なく、車体の安定感がコーナーリング中の不安を感じさせないため、いつもと同じように操作しても気がつけばペースがあがっているという感じです。
個人的には、S1000R(RRではない方)を試乗した時に感じたような車体の剛性・安定感とどこからでも加速するパワー感に近いものが得られるようになりましたが、その時同時に感じた「気を付けないと免許無くなるか、いつか飛ぶな」という印象も受けました。
 
通常のライダーの感覚で体感が狂わずに無意識に反応できる領域に収まるのは、G8がもたらす変化くらいまでではないか、と思ったりもします。
X12Rがもたらす変化は、ライダーによってはバイクの性能がいつのまにか勝ってしまう可能性が高いかもしれません。
今はだれでも200PSあるバイクを手に入れられますが、ライダーの技量によっては手に負えないと感じる何かしらがあり、恐怖感がある意味で安全装置となるようにと思います。
X12Rはそれを感じさせずにスーッと何事もなくバイクの実力が発揮される、という怖さも持っているのかもしれません。
とはいえ、僕ももう外そうとは思いませんが(笑)
別のバイクに乗り換えたつもりで特性の変化と付き合い方を再度確認し、自制心を持って楽しみたいと思います。
長々と失礼致しました、今後ともよろしくお願い致します。